第92回『まちむら興し塾』 2013年2月19日
    日本企画株式会社 岡野 貴政 様

   ガードナー調査報告書から

            
《 ITのトレンド 》

 
 (1)すべてグラウド化する必要はないという考え方が定着する多く
    の企業が自らのICT環境のグラウト化を実施・検討している
    が、2013年はその流れに少々揺り戻しがあるとの見方だ。

     アプリケーションによって、グラウトに限らず従来の仮想化
    インフラやホスティング環境を選択する動きも出てくるとして
    いる。

 (2)グラウドとモバイルが一体化する

     モバイルアプリケーションのバックエンドシステムは、クラ
    ウドが前提になるとの見方だ。また、クラウドとモバイルの組
    み合わせは、1+1=2以上の効果を生み出すとしている。

 (3)クラウドのSLA(Servise Lavel Agreement:サービス品質
    保証)に対する見方が変わる

     クラウド上でアプリケーションを構築・実行する際は、クラ
    ウドプラットフォームのSLAだけでなく、アプリケーション
    を柔軟に利用できる環境かどうかも注目されるようになるとの
    見方だ。

 (4)グラウトサービスのコスト構造のモデル化が進む
    グラウトサービスは少ない初期投資も含めて廉価だというイメ
    ージかあるが、投資効果を明確にするためにはコスト構造のモ
    デル化を図る必要がある。

 2013年はそうした作業が進むとの見方だ。

 (5)エンタープライズアプリケーションの開発にパブリッククラウ
    ドが利用されるようになる

     これまで保守的だったICT部門が、エンタープライズアプ
    リケーションの開発にパブリックグラウトを利用するようにな
    るとの見方だ。

 (6)バックアップやディザスタリカ(災害)でのグラウト利用が加
    速する

     バックアップやディザスタリカバリにはグラウトを利用した
    ほうが、安価で利便性が高いことから、この動きは一段と加速
    するとの見方だ。

    とりわけディザスタリカバリでは、コスト面で効果が大きいと
    している。

 (7)廉価だけでなくハイエンド向けのクラウドサービスも登場する

     クラウドサービスは廉価なイメージがあるが、2013年には
    高性能サーバなどを利用できるハイエンドなクラウドサービス
    も続々と出てくるとしている。

 (8)7割のシェアを持つAWSが苦戦を強いられるようになる

     現在、クラウドプラットォームサービス市場でおよそ7割の
    シェアを持つとみられるAmazon Web Services (AWS)だが、
    2013年はこの分野を急速に強化してきているMicrosoftや
    Googleとの競合が激しくなり、苦戦を強いられるようになる
    としている。

 (9)仮想化イコールクラウドではないとの理解が深まる

     現状では、とりわけ仮想化環境とプライベートクラウドにつ
    いて明確な線引きがなされていない面もあるが、2013年には
    これが明確になってくるとの見方だ。

  (10) 従来の開発手法がクラウド上でも適用できるという理解が開発
    者の間で深まる

     今やクラウド上ではこれまでエンタープライズ環境で使われ
    てきた言語や開発手法の大半が利用できるようになってきてお
    り、2013年はこれが開発者に浸透してグラウト上で生産性を
    上げるようになるとの見方だ。


   「2017年までに、従業員によるモバイルデバイスでのコラボレー
  ションアプリケーション使用の増加により、企業のコンタクト情報
  の40%がFacebookに漏えいする」

   Facebookはスマートデバイスにインストールされているアプリ
  ケーションのトップ5の1つであり、新しいコンタクト先を見つけ
  るうえでも非常に有用なことから、多くの企業が相互リンクを認め
  ざるを得ない状況になっている。

   企業のITインフラとやりとりするデバイス上に消費者向けアプリ
  ケーションと企業向けアプリケーションが物理的に混在する状況に
  対し、多くの企業が不安を感じている。

   しかし、企業が管理している公認のアプリケーションと消費者向
  けアプリケーション間の情報のやりとりを可能にする基盤となって
  いるテクノロジーについての議論は、ほとんどされていない。

   これらのやりとりを追跡管理することは難しく、情報の伝送を管
  理するテクノロジーの構築と展開、管理はさらに難しいのが現実で
  ある。

 「2014年にかけて、従業員所有のBYOD利用のデバイスは企業所
  有デバイスの2倍以上の率でマルウェアの被害を受ける」

   企業ネットワークは、BYOD(個人所有デバイスの業務利用)
  環境の原型である大学などのキャンパスネットワークと同じ環境に
  近づくだろう。

   キャンパスネットワークにおいて、大学側は学生が持ち込むデバ
  イスを十分に管理できないため、ネットワークアクセスを統制する
  ポリシーを強制適用し、ネットフーグを保護することに重点を置い
  ていた。

   Gartnerでは企業もこれと同種のアプローチを採用し、自社のポ
  リシーに準拠していないデバイスのアクセスを禁止または制限する
  ようになるとみている。 BYODを採用する企業は、従業員が持
  ち込むデバイスについて、企業ネットワークへのアクセスを認める
  デバイスと禁止するデバイスを分ける明確なポリシーを確立する必
  要がある。

   BYODの時代において、セキュリティのプロフェッショナルは、
  モバイルデバイスの脆弱性に関する情報とセキュリティに関する情
  報を注意深くモニタリングし、ポリシーを適応させていくことで適
  切に対応していくべきである。

  【市場構造の変化によるIT業界大再編を予言】
  
  「2015年までに、グローバル1000企業の40%が、ビジネスプ
  ロセスを変革する中心的な仕組みとしてゲーミフィケーションを採
  用する」

   関係各所の関与レベルの低さが原因で、ビジネスの変革を目指す
  プロジェクトの70%が失敗に終わっている。

   ゲーミフィケーションによってこのような関係各所の関与を促し、
  作業の透明性を確保し、従業員の行動とビジネスにおける結果を結
  び付けることが可能になる。

   企業はフィードバック、評価、インセンティブなど、ゲームプレ
  ーヤーの関心を引きつけるためにゲームのデザインと同じテクニッ
  クを採用することで、ビジネスプロセスの変革に必要な関係各所の
  関与を取りつけている。

   ゲーミフィケーションはすでにさまざまな業界で効果を発揮して
  おり、その世界市場は2012年の2億4200万ドルから2016年に
  は28億ドルヘと成長し、2013年には企業のゲーミフィケーショ
  ンが消費者のゲーミフィケーションを凌駕することになるだろう。

   「2014年までに、市場の統合によりITサービスベンダーのト
   ップ100社中20%が市場から姿を消す」

   クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルメディアによる
  「力の結節」の台頭と、不透明な経済環境によって、現在約1兆ド
  ルの規模を有する世界のITサービス市場の再構築が加速する。

   2015年までに、ITサービスベンダーの売り上げの15%程度が
  低コストのクラウドサービスに浸食され、サービスの工業化と付加
  価値強化に十分に投資していない大手ベンダーの20%以上が、M&
  A (合併・買収)によって市場から姿を消すだろう。

   この動きはまた、単なるオフショア/ニアショアのアプローチが
  制限される一方で、低コストなITサービスのオンショア化か進むか、
  グローバルな人材配置の再考が不可避になるという、旧来のITサー
  ビスベンダーにとっては困難な状況が到来することを意味している。

本日は社会人が2人でしたが学生が5人参加 
 
  本日のコメンテーター 岡野さん 中央
   
 少々、難しいテーマ?   メモを取って、理解してください